Entries
ディスレクシア
- 16時27分
- [発達障害]
もう何年も前になりますが、職場で発達障害についての講義を受けたときに、一冊の本が目に留まりました。
ディスレクシア(読み書き困難)の子供について書かれた本です。
ディスレクシア(読み書き困難)は、知的には問題がないものの、読み書きに著しい困難をもつ学習障害(Learning Disabilities=LD)の一つといわれています。
学習障害は、発達障害の中の一つで、簡単に説明すると、知的レベルは標準またはそれ以上といわれていて、学力の著しい偏りが見られるもの。読み・書き・計算の一部ができない、・・・などありますが、細かい内容は子供によってさまざまといわれています。集中力に欠け、落ち着きがない場合もあったり、不器用な場合もあります。
ディスレクシアの子の読み書きに関する困難は、子供によって特徴はさまざまなようですが、いくつかあげてみると、
*「あ・お」「ら・さ・ち」「ね・ぬ」「bとd」「pとb」のように似ている書体の見 分けが難しい。
*一文字ずつ音に変えて読むので、スピードが遅くつかえがち。
*まっすぐ順序よく読むことができず、文字や行をとばして読んでしまう。
*鏡文字(上下はそのままで左右を反転させた文字のこと)を書いてしまう。
*文字を上下左右逆さに書く(nとu)
・・・・
これらはほんの一部で、紹介する本にもまたインターネットで検索するとまだまだたくさん出てきます。
ここ数年、新聞でも発達障害が取り上げられるようになり、平成24年(2012年)12月には、文部科学省は10年ぶりに特別支援の第二回実態調査について結果を公表するようになりました。
サイトはこちらです。→ http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1328729.htm
しかし、まだ、周囲の誤解から、「できない」レッテルを貼られたり、必要以上に怒られたり、他きょうだいから比較されたり・・・して、自信を失ってきている人たちは現在も少なくないと思います。
また、このような障害の存在を知らずに、子育問題としてで悩んでいる、特にお母様方、周囲にも相談できない家族などもいるのではと思います。
私がとても心配するのは、二次的問題(二次障害)です。これは、ディスレクシアに限らず、発達障害全般にいえることです。
ディスレクシアであれば→読み書きが困難
→周囲がその障害に気づかない、わからない、サポートがない
→結果、不適切な注意叱責・・・がつづき、
→その子が自信喪失、「自分はできない」「自分はだめだ」・・と思うようになる。すると、精神面、行動面で年齢とともにいろんな影響があらわれます。伸びる能力も伸ばすことができない状況になってしまいます。
一方、子育てに取り組む特に子供と長く接する母親に対しても、親に対しても、周りから「しつけの問題」「子育てのまずさ」・・・など、違った形で問題がすり替えられてしまうこともあり、障害の存在を知らなければ、相談する場所もなく、親子で行き詰ってしまうことも考えられます。
周囲の理解がなされないために、周りから心ない言葉を投げかけられて心が傷つくこともあります。
そんなとき、周りの私たちが、大人も子供も含めて、これらの障害について理解するひとたちが増えてくると、接し方も変化して、認識もさらに広まれば、それなりの相談機関へ行く選択肢もでき専門家のアドバイスを受けることもでき、お互いにすこしでも優しい世の中になっていくのではないでしょうか。
この以下の本は、ディスレクシアの弟を持つ筆者が挿絵を描き、母親とまとめて出版した本です。
ディスレクシアとはどういうことなのかを、わかりやすく書いてくれている本です。ほんとに読みやすく、大人にも子供達にもおすすめの1冊です。「私の弟」文:館野智恵子 絵:久美子 ブロクルバンク 出版社:小学館スクウェア
イギリスにもBritish Dyslexia Society(難読症協会)といわれるサイトがあります。
http://www.bdadyslexia.org.uk/ です。イギリスに住んでいる方には、こちらが参考になると思います。
人間はどのような人にも、秘められた可能性があります。
最後に、この本の最後の部分だけ、載せておきます。
「私の弟に似ている人を知っていますか?
ディスレクシアでしょうか。
同じところもあるけれど、
違うところもありますね。
ディスレクシアでも、
みんな同じではありません。
作文は苦手だけれど、算数や理科が得意だった
私の弟は大学に行き、化学者になりました。
算数が苦手で、文章を書くのが大好きな
ディスレクシアの人もいます。
頭が悪いわけではないのに、馬鹿だと思われ
努力していても、怠け者だと言われるという人が
多いディスレクシアです。
そういうことが、無くなるように
たくさんの人にディスレクシアを知ってもらいましょう。
記憶のしかた、学びかた、話しかたを工夫すると
毎日の生活がもっと楽になります。
世界中、どこの国にもディスレクシアの人がいます。
有名になった人もたくさんいます。
あなたのまわりのディスレクシアを応援してください。」
ロンドン西部イーリング地区で
セラピーヒーリングと家庭教師をやっています。
詳しくはブログのなかのホームページ欄「"ようこそ、春の子Miwakoのホームページへ」をクリックしてご覧ください。
お問い合わせ: miwako_tgw@yahoo.co.jp
ディスレクシア(読み書き困難)の子供について書かれた本です。
ディスレクシア(読み書き困難)は、知的には問題がないものの、読み書きに著しい困難をもつ学習障害(Learning Disabilities=LD)の一つといわれています。
学習障害は、発達障害の中の一つで、簡単に説明すると、知的レベルは標準またはそれ以上といわれていて、学力の著しい偏りが見られるもの。読み・書き・計算の一部ができない、・・・などありますが、細かい内容は子供によってさまざまといわれています。集中力に欠け、落ち着きがない場合もあったり、不器用な場合もあります。
ディスレクシアの子の読み書きに関する困難は、子供によって特徴はさまざまなようですが、いくつかあげてみると、
*「あ・お」「ら・さ・ち」「ね・ぬ」「bとd」「pとb」のように似ている書体の見 分けが難しい。
*一文字ずつ音に変えて読むので、スピードが遅くつかえがち。
*まっすぐ順序よく読むことができず、文字や行をとばして読んでしまう。
*鏡文字(上下はそのままで左右を反転させた文字のこと)を書いてしまう。
*文字を上下左右逆さに書く(nとu)
・・・・
これらはほんの一部で、紹介する本にもまたインターネットで検索するとまだまだたくさん出てきます。
ここ数年、新聞でも発達障害が取り上げられるようになり、平成24年(2012年)12月には、文部科学省は10年ぶりに特別支援の第二回実態調査について結果を公表するようになりました。
サイトはこちらです。→ http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1328729.htm
しかし、まだ、周囲の誤解から、「できない」レッテルを貼られたり、必要以上に怒られたり、他きょうだいから比較されたり・・・して、自信を失ってきている人たちは現在も少なくないと思います。
また、このような障害の存在を知らずに、子育問題としてで悩んでいる、特にお母様方、周囲にも相談できない家族などもいるのではと思います。
私がとても心配するのは、二次的問題(二次障害)です。これは、ディスレクシアに限らず、発達障害全般にいえることです。
ディスレクシアであれば→読み書きが困難
→周囲がその障害に気づかない、わからない、サポートがない
→結果、不適切な注意叱責・・・がつづき、
→その子が自信喪失、「自分はできない」「自分はだめだ」・・と思うようになる。すると、精神面、行動面で年齢とともにいろんな影響があらわれます。伸びる能力も伸ばすことができない状況になってしまいます。
一方、子育てに取り組む特に子供と長く接する母親に対しても、親に対しても、周りから「しつけの問題」「子育てのまずさ」・・・など、違った形で問題がすり替えられてしまうこともあり、障害の存在を知らなければ、相談する場所もなく、親子で行き詰ってしまうことも考えられます。
周囲の理解がなされないために、周りから心ない言葉を投げかけられて心が傷つくこともあります。
そんなとき、周りの私たちが、大人も子供も含めて、これらの障害について理解するひとたちが増えてくると、接し方も変化して、認識もさらに広まれば、それなりの相談機関へ行く選択肢もでき専門家のアドバイスを受けることもでき、お互いにすこしでも優しい世の中になっていくのではないでしょうか。
この以下の本は、ディスレクシアの弟を持つ筆者が挿絵を描き、母親とまとめて出版した本です。

ディスレクシアとはどういうことなのかを、わかりやすく書いてくれている本です。ほんとに読みやすく、大人にも子供達にもおすすめの1冊です。「私の弟」文:館野智恵子 絵:久美子 ブロクルバンク 出版社:小学館スクウェア
イギリスにもBritish Dyslexia Society(難読症協会)といわれるサイトがあります。
http://www.bdadyslexia.org.uk/ です。イギリスに住んでいる方には、こちらが参考になると思います。
人間はどのような人にも、秘められた可能性があります。
最後に、この本の最後の部分だけ、載せておきます。
「私の弟に似ている人を知っていますか?
ディスレクシアでしょうか。
同じところもあるけれど、
違うところもありますね。
ディスレクシアでも、
みんな同じではありません。
作文は苦手だけれど、算数や理科が得意だった
私の弟は大学に行き、化学者になりました。
算数が苦手で、文章を書くのが大好きな
ディスレクシアの人もいます。
頭が悪いわけではないのに、馬鹿だと思われ
努力していても、怠け者だと言われるという人が
多いディスレクシアです。
そういうことが、無くなるように
たくさんの人にディスレクシアを知ってもらいましょう。
記憶のしかた、学びかた、話しかたを工夫すると
毎日の生活がもっと楽になります。
世界中、どこの国にもディスレクシアの人がいます。
有名になった人もたくさんいます。
あなたのまわりのディスレクシアを応援してください。」
ロンドン西部イーリング地区で
セラピーヒーリングと家庭教師をやっています。
詳しくはブログのなかのホームページ欄「"ようこそ、春の子Miwakoのホームページへ」をクリックしてご覧ください。
お問い合わせ: miwako_tgw@yahoo.co.jp
- 関連記事
-
- 自閉症について 本の紹介 (2014/11/26)
- ディスレクシア (2014/09/17)
- 新聞記事 発達障害を読んで (2014/07/11)
スポンサーサイト
コメント:
コメントの投稿